着想を得たのは、絵本作家を目指していた20代半ばです。人がやっていないこと。そのひとつがドキュメンタリー絵本でした。高３の時に友人と上ったアルプス銀座の道程と、他の登山経験を組み合わせて話を作りました。いくつかの画面も文章もその時すでに出来ていました。主人公を小学５年生にしましたから、長男が10才になった時に取材に登りました。３年後の'90年。次男10才と同年の甥と中学生の長男と4人で登っています。しかし制作に取りかかることなく20年を過ごし、最終単独取材で登ったのが'11年です。この間、山頂の空撮シーンを新聞紙上で見つけ２枚ゲットしています。'12年、ダメ元で向かったキリマンジェロでしたが２月１日、５，８９５ｍの山頂に立つことができました。これに勇気を得てようやく制作を開始した次第です。絵は３回の取材で撮った約４５０枚の写真を参考に描いています。ダミーから原画完成まで１年４カ月です。表紙の少年は当時10才の次男。父さんは今の次男(５才ほど老けさせましたが)。裏表紙は実際の写真で、写っているのは当時10才の長男です。タイトル文字と見返しの字を書いてくれたのは、'13年の時９才の孫です。